「企画書の書き方」を6ステップで徹底解説!

企画書の書き方

「企画書の書き方が分からない……。」「もっと上手に作りたい……。」そんな方のために、企画書を作り続けて15年のデザイナー兼コンサルタントが、企画書の書き方を分かりやすく解説いたします!

事前準備

企画書を作る段取りをする

はじめに企画書を作るための段取りをしておきましょう。企画の前提を整理し手順を明確にしておくことで、企画書づくりをスムーズに進めることができます。下記は、企画書を作るうえで最初に決めておきたい重要な要素です。


ヒアリングをする

企画書の多くは、ヒアリング(相手の悩みや要望を聞き出すこと)から始まります。ヒアリングを行う場合は聞き漏れを防ぐために必ず質問リストを準備しておきましょう。下記は社外向けのヒアリングをする際の例です。ご自身の状況に合わせて質問リストを作成し適切にヒアリングを行いましょう。


同じテーマの企画書を集める

これから作ろうとしている企画書に似た企画書が無いかを調べておきましょう。同じような企画書が見つかれば、それを参考にすることで資料作成スピードはアップします。知人や同僚に似た企画書を作ったことはないか聞いてみたり、ネットで公開されていないか調べてみましょう。企画書の調べ方は、Googleのファイルタイプ検索、またはスライドシェア、スピーカーデックを利用するのがおすすめです。

拡張子を指定して検索

情報収集

結論を予想してから情報収集する

先に結論を予想してから情報収集するようにしましょう。答えを予測せずに情報収集してしまうと、何をどれくらい調べればよいのかが見えず無駄に時間を使ってしまいます。情報収集を効率的に進めるためには「現時点で最も正解に近いと思われる仮の答えを出しておく」という視点が大切です。


結論(仮)の例
例1:フィンテック市場に参入すべき。市場規模、成長性の高さ、自社の強みが活かせる。
例2:Twitterのリツイート企画を実施すべき。過去の事例から最も費用対効果が期待できる。

何をどう収集するか決めておく

情報収集は計画的に行わないと時間を無駄に使ってしまいます。あらかじめ「どんな情報が必要か」「誰が集めるか」「どこから入手するか」「いつまでに終わらせるのか」を決めておきましょう。


ざっくりと情報収集する

細かいデータを調べる前に、画像検索などを使って幅広く情報を集めることをおすすめします。最初にざっくりと情報収集しておくことで全体像が把握しやすくなります。下記フォームから調べたいキーワードを入力し、検索してみてください。

「画像」や「書籍」を調べる(Google)


「PDF」や「PPT」等を調べる(Google)


「政府統計」を調べる(e-stat)

専門サイトや書籍で情報を集める

調べたいことが明確になったら、専門サイトやWebツールを使って詳しく調べていきましょう。下記の表は情報収集をする際に役立つリンクをまとめたものです。

調査会社に依頼する場合

質の高い情報を収集するために外部業者に依頼するのもひとつの手です。下記の表は実績があり、おすすめの調査会社一覧です。

アンケートを取る場合

ユーザーのニーズや不満を把握したい時に使えるのがアンケートです。下記の表は比較的低コストで利用できる、おすすめのアンケート(インタビュー)サービスの一覧です。

情報収集・引用時のチェック

情報収集で注意したいのが「信頼できる情報」を入手することです。例えばウィキペディアの情報は誰でも編集できることから信頼性には限界があり、引用は慎重に行う必要があります。「どこに掲載されているか、誰が書いたか、何をもとに書かれたか」に注意しましょう。また、引用の条件も決まっていますので事前にチェックしておきましょう。


出典の記載例
(例1)出典:内閣府ホームページ(URL)
(例2)出典:「○○報告書」(内閣府)(URL)を加工して作成
(例3)「○○調査」(内閣府)(URL)をもとに○○株式会社作成

書物の引用など、より詳しい情報は下記を参考にしてください。
『科学技術振興機構(JST)「参考文献の役割と書き方」5~7ページ

企画構想

問題を整理する

問題というのは理想と現状の差異から生まれます。そのため問題を正しく認識するためには理想と現状を洗い出し、その2つを見比べながら問題を洗い出すことが大切です。問題を洗い出したあとは、問題の関係性や重要度を整理し、本質的な問題を特定しましょう。


原因を特定する

問題が整理されたら、なぜ?を繰り返し、問題の原因を明らかにしましょう。問題の原因を掘り下げていくコツは、問題の一次原因(時間や場所など近い方)から根本原因に向かって順番に深堀りしていくことです。この時、正しく掘り下げられていれば「だから?」と逆からさかのぼっても意味がつながります。また、原因が複数ある場合は問題と原因の関係を図にして考えてみましょう。


課題を明確にする

問題と原因が明確になったら課題を設定しましょう。課題とは「問題を解決するために取り組むべき具体的な事柄」を指します。例えば、問題が「深刻な人材流出」で、原因が「職場環境の悪化」であれば、課題は「優秀な人材を確保するために職場環境を改善する」のように書くことができます。


解決策を考える

課題が明確になったら解決策を考えましょう。世の中にはアイデア出しのツール(付箋やマインドマップなど)や手法(ブレストやKJ法など)が数多く存在します。どれも慣れてしまえば便利なツールですが、最初から無理に使う必要はありません。まずは箇条書きで大量にアイデアを書き出し、良いアイディアだけをピックアップしましょう。


解決策を選ぶ

解決策の選定に根拠を持たせるには評価軸を使うのがおすすめです。はじめに選択の基準となる評価軸を決め、それぞれの解決策を3~5段階で評価し、合計点数が高いものを選択するという方法です。評価軸の重要度にばらつきがある場合は、収益性×2.0、優位性×1.5のように重み倍率を加えて計算してください。

解決策を選ぶ

評価軸の例
実現可能性、収益性、成長性、優位性、将来性、市場性、危険性、リスク、難易度、実現速度、課題適合性、緊急性、波及効果、インパクト、副次的効果、ニーズ、効果性、新規性、先進性、革新性、独創性、先導性、欲求性、熱意、情熱、社会貢献性、など。

また、可能であればそれぞれの解決策を小さくテストしてください。テストで一定のデータが得られれば選択の精度は格段に上がります。

解決策を具体化する

解決策が決まったら企画内容を固めるために具体的なアクションを洗い出しましょう。アクションを洗い出した後は重要度や時系列で並べ替え、いつ何をするかを整理してください。


効果・目標を決める

企画書を通すためには、相手にとってどれだけのメリット(効果)があるかを明確に伝える必要があります。メリットはできるだけ数値化し、事例などを用いて根拠のある表現を心がけましょう。効果は目標として記載することもできます。目標として記載する場合は、いつまでに、何を、どれくらい達成するか具体的に示しましょう。


効果の例
・会議システム導入により、年間200万円のコスト削減が可能
・教育研修により離職率の低下、生産性の向上が期待できる
目標の例
・新商品の投入で、第4四半期の売上高、前年比20%アップを目指す
・SNS広告を強化し年末までに月間販売数を600件→1000件を達成する

企画の情報を整理する

企画書で重要な「課題」「解決策」「効果」を明確にしたら、6W2Hを使って足りない要素を追加しましょう。いつ、どこで、誰が、誰に、何を、なぜ、どのように、いくらで、を書き出せば企画の構想は完了です。


文章作成

文章ルールを決めておく

文章を書き始める前に「文章作成ルール」を決めておきましょう。例えば、読み手に業界知識がないのであれば専門用語は避けるべきですが、同業者しか読まないのであれば、むしろ専門用語を使ったほうが分かりやすいです。ほかにも、文章主体の企画書であれば無理に箇条書きしたりせず丁寧に書いたほうが分かりやすかったりもします。状況に合わせて文章作成のルールを決めておきましょう。


タイトルを決める

タイトルは、社内向けの企画書であれば分かりやすさを重視し、企画内容を要約した一言で表現するのが一般的です。社外向けの提案やコンペ企画など、表紙で相手に興味を持ってもらう必要がある場合は、読み手の感情を動かすような魅力的なタイトルを付けましょう。文字数は長くならないようにしてください。理想は13文字以内(人間が瞬時に理解できる文字数)です。また、サブタイトルを付ける場合は、タイトルを補足する形で「要するに何について書かれているのか」を端的に表現するとよいでしょう。


社内向けタイトルの例
〇〇〇〇キャンペーン企画
社外向けタイトルの例
売上が2.9倍になる最新の販促戦略

目次を作る

文章を書く前に目次を作りましょう。目次を先に作れば全体像が把握できるため、読み直しや書き直しが減り時間短縮につながります。目次には2つの書き方があります。ひとつは「現状の課題」のように短い単語でまとめる方法、もう一つは目次だけで内容が分かるように「現状の課題は人材育成と営業力の強化」のように書く方法です。2つの書き方が混在しないようにルールを決めてから作成しましょう。


目次の例(小)
1. 企画の目的
2. 企画概要
3. 企画内容
4. 効果予測
5. 概算費用
6. スケジュール

目次の例(中)
1. 背景・目的
2. 現状分析
3. 企画概要
4. 企画内容
5. 効果予測
6. 収支計画
7. スケジュール
8. 体制
9. 参考資料

目次の例(大)
1. 目次
2. はじめに
3. 背景と目的
4. 現状分析
5. 課題の整理
6. 課題の解決策
7. 企画概要
8. 企画内容
9. 効果予測
10. アクションプラン
11. 詳細スケジュール
12. 収支計画
13. プロジェクト体制
14. 最後に
15. 参考資料

メッセージを作る

目次が完成したら、各スライドのメッセージ(結論になる文章)を作成しましょう。プレゼン資料は1スライド1メッセージが基本のため、1文(1~2行、70文字程度)で作成することをおすすめします。また、図やグラフなどのイメージができている場合は、この時点でメッセージと合わせてメモしておきましょう。


メッセージの例
市場規模:
SNSマーケティングの市場規模は年々拡大しており、2025年には1兆1,171億円に達すると予測されている。(図:SNS市場規模の棒グラフ)

文章を校正する

文字の修正を減らすため、プレゼンテーションソフト(以下、プレゼンソフト)を開く前に文章の校正をしておきましょう。下記におすすめのオンライン校正サービスを記載しています。ご自身にあったサービスを見つけてください。

※表示価格は掲載日時点の価格

プレゼンソフトにテキストを組み込む

目次とメッセージが完成したらプレゼンソフト(パワーポイントやGoogleスライド)にテキストを組み込み、企画書の流れを整えましょう。図や表を作り込む前に、ひととおりテキストで完成させておくのが素早く作るコツです。

企画書のテキストをプレゼンソフトに組み込む

図表作成

図表のラフを作る

テキストの企画書が完成したら図や表のラフを作成しましょう。ラフを作る理由は作り込みをした後の修正を最小限に抑えるためです。一番のおすすめは「テキストだけの企画書を集約印刷し、手書きでラフを作成する方法」です。手書きが難しい場合は、ソフト上の図形やサンプル画像を切り貼りするなどして対応しましょう。

ラフスケッチをする

プチリハーサルをする

一度スライドを作り込んでしまうと修正するのが大変です。そのため、ラフが完成した時点で簡単なリハーサルしておくことをおすすめします。パソコンの前でつぶやく程度でもかまいません。時間を測り最初から最後まで通してみましょう。また、この段階で自分以外の誰かにチェックしてもらうとよいでしょう。

デザインを調整する

企画書におけるデザインの基本は「シンプルに分かりやすく」です。デザインが苦手な人に私がおすすめしているのは「1スライドにつき、1メッセージ、1イメージ、1カラー、1ハイライト」で作ることです。言いたいことは1つ、見せたい画像も1つ、色も一色、強調部分も一か所。これを意識するだけで分かりやすいスライドが作れます。

企画書のデザインサンプル

おすすめのテンプレート
企画書/00010

チェックリスト(企画書完成時)

企画書が完成したらチェックリストを使ってチェックしましょう。下記のチェックリストは企画書の作成において、重要かつ見落としがちな項目の一覧です。


プレゼン準備

リハーサルをする

プレゼンの練習は時間が許す限り何度も行いましょう。プレゼンの天才といわれたスティーブ・ジョブズでさえ5分のスピーチに丸2日、初代iPhoneの発表に至っては丸6日をかけてリハーサルしたと言われています。最初は一人で録画しながら練習し、自信がついたら人前(本番に近い形)でリハーサルするのがおすすめです。

チェックリスト(プレゼン前)

プレゼンは準備することが多く、慣れないうちは誰でも緊張もするものです。小さなミスを防ぐためにもチェックリストを作っておくことをおすすめします。下記は、プレゼン時に使える汎用的なチェックリストです。ご自身でカスタマイズしてご活用ください。



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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いた人

山下 隆次(Webコンサルタント/FCD代表)
Webデザイナー、アートディレクター、Webプロデューサー職を経て独立。現在は企業のブランディング、クリエイティブ制作、Webコンサルティングを中心にフリーで活動中。